本日の匠@ラヨチ工房

「ドラゴン」と呼ばれる男がいる。
もちろんニックネームである。
その猛々しい呼び名と相反して、本人は極めて穏やかである。
しかし内に秘める情熱はドラゴンに相応しく、熱く滾っているのである。

彼は徐々に視力を失うという経験をしている。
よく「まだ見えていた頃はね、」と朗らかに話してくれるが、
昭和時代のテレビだったり、音楽だったり、内容の幅が広い。

 

彼は常に周囲への感謝を忘れない。
「もっと感謝を伝えたい」といつも言う。
時に、国家資格を持つ按摩マッサージのスキルを
惜しげもなくメンバーやスタッフに振舞ってくれることがある。
自分に出来ることを精いっぱいやりたい。
彼の情熱が迸る瞬間である。


今は、「不揃いのキーホルダー(仮)」のパーツとなる
木片のヤスリがけを行っている。手を目に代えて形状を把握する。

繊細な指先で磨き上げた面を確認している。
作業台に敷いているシートのトロピカルっぷりが、
せっかくのこのシリアスな文章とミスマッチだ。
いいんだ。これがイコロン村の日常なんだ。

 


木目を生かしたパーツが仕上がっている。
年輪はまるで彼の人生のようじゃないか?C’est la vie.

 

このパーツをあしらったキーホルダー、
にじいろショップウエカルパで販売中。
これが500円で手に入るなんて、
今の世の中もそう捨てたもんじゃない。

※写真、投稿内容とも、ご本人の許可を得て公開しています。

 

 

 

 

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